宇宙を駆ける 加速少年

犬と少年と宇宙探偵

《今日未明、アメリカの人工衛星が宇宙からの謎の飛行物体を捕捉！その飛行物体は円盤型をしており一直線に太平洋目掛けて落ちていきました。しかし大気圏を抜けたところで急に姿を消し現在も消息不明です。。NASAは今回の飛行物体は"UFO"である可能性が極めて高いと判断し、捜索を行う予定です。それでは次のーー》

散歩から帰ると、こんなニュースがやっていた。

「え？…………マジでUFO……？」

このニュースは間違いなく散歩中に見た"あれ"のことだろう。
それにしても早起きは三文の徳ってマジなんだなぁ。

いや、別に徳はしてねぇか。

そんな考えも能天気な声に掻き消された。

「瞬ー、飯まだー？」

声の主はだらしなくパジャマのままソファーに寝転がっている中年。速見 瞬の実の父"速見 武雄（ﾊﾔﾐ ﾀｹｵ）"だった。

武雄の外見は無精髭が目立ち、がっちりとした体つき、そして瞬より癖の強い髪が頭の上でうねりにうねっている。

こう見えて、住居建築工事の現場監督だったりする。