犬と少年と宇宙探偵

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ーー速見 瞬は混乱していた。 まず横断歩道の向こう側に見えた透明な“何か”、透明なのでおおよその輪郭しか分からなかったが多分、人ではない。 そして、その透明な“何か”は少し躊躇したものの赤信号なのを無視して横断歩道を渡り始め、 大型トラックに撥ね飛ばされた。 鈍い衝突音は聞こえたのだろうが周りの人達はあの“何か”が完全に見えないらしくキョロキョロしていた。 しかし本当に驚くことが起きたのは、この後だった。 なんと、その轢かれたものから幾数もの光の球体が飛び出し、散らばったのだ。 やはりこの光も瞬にしか見えていないらしい。他の信号待ちの人々は光の球体に見向きもしない……。 その時 なんと光の球体の幾つかが瞬の体の中に入っていった。 他の球体は別のところへ飛んでいった。 多分、この街全体に……。 ーーそれが 全ての始まりだった。ーー
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