犬と少年と宇宙探偵

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ーータイムリミットまで、あと3分。 あまりにも突拍子もない出来事が起こりまくり忘れていたけど、俺、急いでるんだった。 残りの道のりはどれ程速く走っても6分はかかる。 そして俺は半ばヤケクソになりながら残りの道のりを全力で走った。 ーーガラガラッ! 「すいません!途中で信号待ちしてたら遅れまし……ってあれ?」 教室に入った途端、謝罪する俺。そして言い訳に差し掛かったところで異変に気付いた。 教師がまだ来ていない。 《キーンコーンカーンコーーン》 「はい、授業始めるぞー……って何つっ立ってんだ速見?」 「へ?今から開始スか?え?でも……」 まだ状況が読み込めてない俺。だってあれは確実に間に合う筈のない距離だった。 確かに死に物狂いで走ったが……まぁ、いいか。間に合ったなら、それに越したことはない。 そう思いながら俺は窓側最後尾の自分の席に着いた。
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