犬と少年と宇宙探偵

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ついでに俺のような基礎が完璧な奴や、銀太みたいに型にはまらないような奴の練習は完全に個別メニューで、俺の場合は基本自由に練習内容を決めていい。 そんで今週一週間は“体力向上”を重視し、ひたすら走り込んでいた。 なのに、雨でもないのに練習中にグラウンドの隅でぼーっとしてたら心配されるわな。 「えーっと……、あれだ!今日は体育で、めっちゃ走ったし!」 「あ!そういえば聞いたよ!今日、瞬君が世界記録塗り替えて世界陸上とオリンピックの出場権獲得して、更にギネスに載るって!!」 「うん、それはデマだ」 最早、噂に手がつけられなくなってきたようだな……。 でも早く手を打たないと取り返しが付かないんじゃ……。 「ねぇ?今日はもう練習終わり?だったらさ……一緒に帰らない?」 ーー……!!!!?? 急な提案。一応練習中なんだけど、そんな満面の笑みを見せられたら断るにも断れねぇじゃねぇか……。 「……帰りの支度してくるから、ちょっと待ってて」 幸も不幸も降りかかるのは唐突だ。
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