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「えへへ、最近いっぱい絵の具買っちゃったから」
「ふーん…絵描くの好きなんだ?」
「……どうだろう…自分でも分かんないや。美術部だって友達が入るから入っただけだし…」
そうやって冬咲は笑顔で言ったが、その笑顔は作った笑顔であることは一目で分かった。
「瞬君は陸上好きなんでしょ?」
「まぁ、そうだなぁ……てか、走ることが好き…なのかな?いや、得意??」
「いいなー、夢中になれるものや得意なものがあるって。私には、そんなものが何もないからさ……羨ましいや」
そう言う冬咲の表情はどこか寂しそうっていうか、悲しそうな……そんな表情だった。
「“何もない”ってことはないだろ?」
「え?」
「勉強だってできるし、人付き合いだって俺よりよっぽど上手い。手先も器用で行事には積極的に参加する……いいとこばっかじゃん?」
って、なんか俺がスゲー冬咲のこと観察してるみたいな発言してしまったぁぁ!
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