犬と少年と宇宙探偵

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ーーにしても、冬咲にあんな悩み事があったなんてなぁ……。 日は半分程、沈みかかり辺りは暗くなりつつある。俺の頭の中を回るのは、やはり冬咲のこと。 まぁ、面と向かって話をするのは初めてだったし、悩み事なんて気づかなかったのも当然なのかもしれない。 人付き合いも悪く、友達も少ない俺はただでさえ人の感情とか考えてる事とか察するのが鈍い。 初めてそんな自分が嫌になった。 ……そういや、6000メートル走った銀太はどうなったんだろう。全くそれどころじゃなかったから完全に忘れていた。 っと、赤信号。 いつの間にか、朝に一騒動あった横断歩道まで来ていた。 あの横断歩道の真ん中らへんで“何か”がトラックに轢かれたんだったな。……って、あ!!? “何か”が轢かれたところに、その“何か”から無数に飛び出した光の球体の一つが浮いていた。 うん、これはスルーだな。 青信号になった途端、俺は自分でも驚くほど冷静に判断を下し、横断歩道を渡り始めた。 そして光の球体とすれ違う。 すると一番起きてほしくない出来事が起きた。 ーー一光の球体は、俺の後ろを一定間隔空けて……付いてきやがった!!
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