犬と少年と宇宙探偵

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ひたすら走り家は目と鼻の先、俺はすかさず思いっきり急ブレーキをかける。 キキーーッ!! 車か!!って言いたくなるような音と靴底が削れる感触。 ブレーキをかけて、3メートルほどしたところで、どうにか止まることができた。 「ふぅ……撒いたか?」 周りを見渡したが、光の球体はいなくなったようだ。 不思議と息切れは少ない。それ以上に頭の混乱がヤバい。 光のストーカー 俺の人間離れした脚力 やはり体育の時間のタイムは正確だったようだ。 実際、さっきはそれ以上の速度を出したし……。 ーーワンワンワンッ!! 家に入ろうとドアノブを触った瞬間、犬小屋に鎖で繋がれたポン太が尋常じゃない鳴き声をあげた。 俺は不意に後ろを振り返った。すると…… 目の前に光の球体が迫っていた。 頭を逸らし、間一髪で避ける。 朝の経験から行くと、こいつは体内に入ってくる。そういえば、あれがあってから今日は色々おかしいんだ。 ーーこれ以上、意味不明なことに巻き込まれてたまるか!! 今度は横から来た。俺はしゃがんで避ける。 ーースポッ あれ?俺は避けた筈……。
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