犬と少年と宇宙探偵

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ーーチュンチュン 鳥のさえずりが聞こえてくる。時間は?……6時か……。 珍しく目覚ましの時間より随分早く目が覚めてしまった。そのわりには意識はハッキリしている。少し早いけど着替えて愛犬の"ポン太"の散歩にでも行こう。 外に出るとまだ肌寒い空気が俺の身体を覆った。まだ季節は春だし、当たり前か。でも出たばかりの朝日はかなり気持ちいい。 ーーワンッ!! 鳴き声のした方を振り返ると金色の毛並みをしたゴールデンレトリバーの我が家の愛犬"ポン太"が既に俺を待っていた。 「お前も早く起きちまったのか?」 いつもはグダッと寝ている時だってあるのに、今日は珍しく散歩をまだか、まだかと待っていた。 もしかすると俺達は無意識に今日、何かが起きることを予感していたのかもしれない。
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