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白王学園は、中学から大学まで続く、歴史ある名門私立校だ。
学園前のバス停に、バスが到着した時、考え事していた、小柄な少女は、既に目的地に着いたことに気付くのが遅れた。
「あ、待って!運転手さん、降ります!きゃっ」
ドタッ!通路に出た時、足がもつれ、勢いよく滑るように転んだ。
「いたた……」
「大丈夫?」
「うえええっ!?ふ、ふ、ふ、藤木会長様!!」
どもりながら、驚きの声をあげたのは、高等部一年、Fクラスの、相川由梅花(あいかわ ゆめか)だった。
「どうしたの?いきなりかけたら、危ないよ」
「すみません……私」
「謝らないでいいよ。さあ、降りよう」
「は、はい」
声が詰まって、どもるし、裏返るし、緊張で喉がカラカラになっている。
どんどん先を行く、先輩を見て、目の奥が熱くなった。
ボーッとしていて、先輩が、同じバスに乗ってるなんて、気付かなかった。
「ずっと、昨日から、先輩の事で、頭がいっぱいだったから……心の準備なんて、出来てない。どうしよう」
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