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学園の校門前――――。
「どうしたのかな?相川さん」
「あの……私は、あなたに伝えたい事があって」
「どんな事かな?」
「えっと……」
ああ、また、緊張してきた。好きなのに……どうしよう。
「おい、一年。要望や抗議は、レポートにして、白樹会に提出しろよ。会長に直談判は禁止。俺達役員が、会議をしてからだからな」
松本先輩は、さっきより、怖い顔をして言った。
「そういう事だからね、相川さん。これからは、気をつけて、じゃあね」
藤木会長様が、行ってしまう。私の気持ちも、知らないまま――――そんなの嫌だよ。
「違うの……」
美術部の先輩に、命令されたとか、もう、どうだっていい。
好きになって、もらえなくても構わない。私は、先輩の背中に触れた。
普段なら、絶対に、近付くなんて、出来ないけど、今日だけ、勇気を出そう。
「相川さん?」
「わ、私、藤木会長様が、初めて見た時から、好きでした」
「え……俺を好き?」
「はい!大好きです!私と付き合って下さい!あっ……」
あー、付き合ってまで、言ってしまった。藤木会長様は、珍しく、驚いたように、目を大きく見開いた。
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