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仕事柄、毎日見ている女優やモデルの画像とは似ても似つかない。
俺は毎日その画像を見つめながら、読者にどう見せようかと頭を捻(ヒネ)る。
今日の編集にも時間がかかったとぼんやり考えながら、小さな四角の中の奈々を自分に引き寄せる。
こんな奈々を…
誰にも見せたくないと思った。
小さく笑った奈々の唇。
あの夜のキスを思い出す。
奈々の唇をこじ開けた瞬間と
舌を絡めた時のあの熱を。
俺は新しい煙草に火を点けた。
会えないもどかしさ。
募る想い。
疼(ウズ)くカラダ。
奈々が恋しくて…
俺はなかなか灰色の煙から逃(ノガ)れられなかった。
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