二人の姉

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今なら、 礼子ねぇの葛藤も、 裕美ねぇの情熱も、 毅彦さんの心情も、 理解出来るかもしれないけれど、 当時、子どもだった俺には、 理解どころか、 二人の姉の間になにがあったかなんて、 知ろうともしなかったし、 知る余地もなかった。 そして、 あの日を境に、 礼子ねぇは、無口になったし、 俺は、裕美ねぇに捨てられた気がして、 裕美ねぇの居ない家に、 帰りたくなくなっていた…
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