時の流れ

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最後の夏休み。 偶然、 裕美ねぇに、再会した。 ホント、 偶然だった。 あの夏は、 服飾専門学校に通ってた女の家に、 しばらく居たんだ。 で、 「夏休みのオープンキャンパス用のファッションショーがあるから、見に来て!」 そう誘われて、 行った会場に、 裕美ねぇが、居た。 子どもも一緒に、ショーを見ていた。 声をかけるのか? 躊躇いと、 懐かしさと、 捨てられた寂しさ。 そして、 傍らの子どもに対して、 裕美ねぇを盗られたような、 妙な感情… 声をかけない方が、いいか… 踵を返そうとして、 目が合ってしまった。
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