三年目の、

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  「……珍しい。びっくりした。でも作るなら換気扇回さなきゃ…」 「そうなの?まあいいや。夕飯食べてきた?」 「まだだけど…」 「着替えてきたら」 「あ、うん」 どんな気まぐれだろう、と悠也を勘ぐる。 しかし悠也の手料理をご馳走になる日が来るなんて思いもしなかった佳奈にとって、それは仕方がない事だった。 カレーの香りで忘れかけていた空腹感が蘇る。 着替えてキッチンへ行けば、カレーを盛り付ける悠也の姿があった。 「自分でやるからいいよ」 「ついでだし」 ついで、と言いながら悠也は二枚目のお皿にも同じように盛った。 「え?これから夕飯なの?」 「うん」 「残業だった?」 「いや、今日は休み」 佳奈が悠也の休みを把握していないのはいつもの事ながら、この時間まで夕飯を済ませていなかった事に驚いて眉を寄せる。 …もう日が変わるのに。 悠也は両手のカレー皿をテーブルに置くと椅子に座り、佳奈も戸惑いながら向かいに座った。 「いただきます」 「ん」 こうして向かい合って食事なんて、いつ振りだろう。 もしかしたら何か私に話でもあるんじゃないだろうか。 勘ぐり始めたら佳奈の思考は止まらなかった。  
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