三年目の、

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  ごくり、と喉が鳴ってカレーが胃に落ちていく。 「…今日、会社が休みだったの?」 「いや、有給」 「……そ、そうなんだ」 悠也の言葉が何を意味しているのか理解出来ない。 佳奈はただ「まさか」という戸惑いを隠すようにカレーを口に運ぶ。 「お、美味しい。でも意外。悠也が料理作れるなんて。作ったの初めてでしょ?凄いね」 空気を誤魔化すように矢継ぎ早に話す佳奈に、悠也は対象的に落ち着いた口調で言った。 「カレーは三回目。他のものは作ったことないけど」 「三回目?」 「うん。去年の今日と、一昨年の今日」 「………」 佳奈はいよいよ手が止まった。 目を見開いて悠也を見る。 それに気付いた悠也が顔を上げ、不思議そうに首を傾げた。 「どうしたの?食べないの?」 「…悠也、私、そのカレー食べてないよね?」 「うん。帰って来なかったね」 さらりと事も無げに言うと、悠也は食べ終えた自分の皿を持ってキッチンに向かう。 二杯目がテーブルに置かれると途端に申し訳なさが襲い、佳奈は自分をひっぱたいてやりたい気持ちになった。 自分の誕生日を忘れていた事より、悠也の心遣いに気付きもしなかったことが悲しかった。  
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