三年目の、

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  「…ごめん」 「え?なにが?」 「…仕事ばっかで、ごめんなさい」 去年も一昨年も、悠也は一人でこのカレーを食べていたんだろう。 想像すると泣きたくなった。 「いいよ。明日も頑張れるように沢山食べて」 「うん、ありがとう」 テーブルの上には水とカレーのみ。 サラダすらない。 フレンチと赤ワインには程遠いが、それ以上に佳奈の心を温めた。 「…来年は、私も有給取りたいな」 口をついて出た言葉に、悠也が笑う。 「佳奈の場合は仕事の都合でどうなるかわからないから、無理しなくていいよ。僕は休むけど」 「休むの?」 「うん。カレー作るから」 「…一日かけて?」 「不器用だから、どうしても一日かかっちゃうんだよ。目標はもう一品」 「佳奈が帰るまでには間に合わせたいけど」と真剣な顔をする悠也に、今度は佳奈が笑った。 一本の缶チューハイを分け合って乾杯した時、悠也が初めて「おめでとう」と言った。 ワインで乾杯なんかより、数倍も幸せだと思った。  
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