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瞬間、俺の足と接していた地面が盛大に割れる。
欠片が空を舞い、亀裂が放射線状に広がっていく。
そして俺は、まるで地面が縮められたように、化け物の懐にいた。
いつの間にか距離を詰められた。
化け物にしては、これ以上の脅威は無いだろう。
とっさに防衛本能として、自身の唯一の攻撃手段である極太の足を振り下ろした。
それが、間違いだった。
勇者として鍛え上げた反射神経が反応し、とっさに拳を構え、ノータイムで顔面目掛けて発射した。
ライフル弾を超える速度で飛ぶ拳は、周囲を擬似的な真空状態に、衝撃波を撒き散らす。
そして、化け物の頭部は拳が当たる前に破裂した。
当たろうとした部分から陥没し、破裂していく。
周りには夥しい量の青色の血液が飛ぶ。
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