レイ編1章 ~崩壊~

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緑茂る深い深い森の中、2つの人影が駆け抜ける。 「レ、レイ隊長ー、もう少しゆっくりいきましょうよー!」 「…遅いぞロッダ!! それでも俺達の村を守るバルトス防衛隊の一員かっ!」 先を行く隊長と呼ばれる青年の名はレイ(Age.17)。 剣の腕を買われ、若干17歳にして彼らの暮らす小さな村【バルトス】を守る防衛隊の隊長を任されている。 防衛隊とは言っても、この辺は至って平和であり、近くの森や湖畔、山や平野に出現する下級モンスターや山賊を退治する程度なのだが。 今も村の近くの森に現れた山賊を退治しに行く所である。 「村の食料源の【アシダの森】にまた懲りずに山賊が現れたんだ。 少しの食料の持ち出しも許されない、ゆっくりなどしていられるか!」 「わ、分かってますけど隊長のペースは速すぎますッ!」 「…やれやれ……。」 レイの後を必死に追うのは、バルトス防衛隊の一員のロッダ(Age.17)。 レイとロッダは、防衛隊の中でパートナーなのだがロッダはどうも頼りない。 しかし、弓の腕と打たれ強さは防衛隊一と定評がある。 そんなロッダは、防衛隊の中ではそのあまりの鈍足さゆえに【歩く肉団子】と呼ばれている。 「ふぅ、お前は少し痩せるんだな。 先に俺はでアシダの森に向かうから、お前は後から来て援護を頼む。」 「はい、どちらも了解です!」 レイは1人ペースを上げ、アシダの森へと向かう。
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