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[アシダの森]
「ヒッヒッヒ………やっぱここには食う物がたくさんあるよなぁ!!」
「ヒャヒャヒャ!
今日もたんまり頂いて行こうぜぇ!」
「でもよ?そろそろあいつらが来る頃だぜぇ?」
山賊たちが、食料を漁りながら話している。
「…あいつらねぇー?
もしかして俺の事かな?」
いつの間にか現れていたレイの一声により、山賊たちの動きが止まる。
「出たッ!
防衛隊のレイの野郎だぁー!
ちくしょう、もう来やがったか!!」
「お前たちはホントに懲りずに何度も何度も…。
そんなに何度も繰り返しているんだから、いい加減にもっとうまくやれないのか?
ふっ、敵ながら憐れみを覚えるよ。」
微笑を見せ、腰に据えた剣に手を伸ばす。
その動きを見ると同時に山賊たちの顔色が変わる。
「お、お前が強いのはもう分かってるが、俺らにだって生活があるんだぁ!!」
持っていたカマやら斧やらで攻撃を仕掛けてくる山賊たち。
それをいとも簡単に回避するレイ。
「お前らの動きなんてもう見飽きた!
数だけの烏合の集団めっ!!
宙を舞う斬撃、奴らを捉らえよッ!」
レイが剣を一振りすると、剣から幾千もの斬撃が飛び交う。
その斬撃は的確に山賊たちのミゾを捉える。
5人ほど残して。
「ゴフッ!グハッ!!」
次々と倒れる山賊たち。
「さぁーて!
残ったお前らは、さっさとこいつらを運び帰れ!」
倒れている山賊たちを指差して言い捨てる。
「ヒィー、やっぱりまた負けた!
野郎ども引き上げだぁー!!」
山賊たちは逃げ帰る。
「……ふぅ、平和なのは良い事だけどこれじゃあ退屈過ぎるよ。」
「隊長ーー!!」
遠くからロッダが駆けてくる。
「あいつ今頃…。」
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