我ら樫井生徒会っ!!

2/13
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「「「あぁ♪栄えあぁる♪樫井ぃ高校♪」」」  1000人を越える全校生徒の歌声が一体となって、体育館の天井に漂う空気に溶け込む。  何と言えばお分かりいただけるだろう、この張りつめた空気。  ただの全校集会だというのに緊張してしまう感覚。  これらをよそに、司会台からの機械的な進行が響く。 『……これを持ちまして、平成24年度 第83回 福岡県立樫井高等学校 第2学期 終業式を終わります。気をつけ、礼』  礼をしながらこの学校の生徒会長を務める生野は心の内で喜ぶ。  目に見えて彼が喜び勇んで教室に帰ろうとすると、後ろから彼の肩を叩く者がいた。 「ん? ……なんや、田浦か」 「〝なんや″とは何だ。それより生野、何を喜んでいるんだ?」 「いや、これが終わったら冬休みと思ったけん」 「何を言っているんだ、生徒会役員の年末総会があるだろう」  その一言を聞いた途端に生野は体育館の床に膝からくずおれ、心の底から落胆した。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!