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それから時間は経ち、生野は生徒会の年末総会に来ていた。
年末総会というのは、生徒会役員全員と顧問の教師たちが集まって、その年の総括をする集会である。しかし、生徒にとって相当面倒なものであるのは間違いない。
また、生徒が教師の視線を一同に浴びる緊張感と言おうか、恥ずかしい感じ、これをお分かりいただけるだろうか。
この総会を仕切っているのが生野と同じ生徒会三役、樫井高校生徒会副会長の瀧本。三役の中での紅一点である。
ここで蛇足ではあるが、生野は生徒会の仲間から親しみを込め、「カイチョー」と呼ばれている。
ところで現在この総会は、普通の教室2部屋を合わせた広さを持つ大講義室で行われている。
生野を含む三役は大講義室の前方、向かって左側から、瀧本、生野、田浦、そして三役の顧問教諭である藤野という順に座っている。
また三役以下の生徒会役員は、三役の左右にズラッと並び、夜の8時でもないのに全員集合している。
そのような状況下、瀧本が総会をテキパキと仕切っている。
瀧本の進行に生野は耳を傾ける。
「……では整美委員長、今年の総括をお願いします」
整美委員長も面倒に感じていたのだろう、ボソボソと報告する。
「はい、今年は清掃かつど……」
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