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300人のギルド員を率いてギルド団長は進軍を開始。しかし、やはりと言うべきかギルド員の疲弊も酷く進軍が思ったように行かなかった。
漆黒龍は現在焼いた村を根城にしているらしい。連日に次ぐ咆哮、そして遠目に吹き上がる火柱はまるで自分の位置を知らせているかのようだ。
まさか、龍は自分達が来るのを待っているのではないか?
その考えに至りギルド団長は怒りと恐怖に震える。
自分達を玩具の様に掌で弄ぶ漆黒龍に怒り、もしも漆黒龍が最初から潰す気で来ていたらと恐怖する。
ギルド団長は知らない。漆黒龍が自分達を楽しみの1つ程度にしか思っていない事を……。
漆黒龍は、人間は暇潰しに使えるぐらいにしか思っていない。
焼かれた村が見えてきた。
気味が悪く成る程魔物に襲われず、空を飛べるはずの漆黒龍が奇襲を仕掛けて来なかった事に嫌な予感を覚える。
だが今更退けない、退く事は許されない。
敵を目前にして怯えるギルド員に喝を入れ。突撃する為体を力ませた瞬間、巨大な影がギルド団長とギルド員等を覆った。
太陽が雲に隠れたと誰もが思った。だがこの日は雲1つ無い快晴だったはず、ギルド団長が疑問を抱くのと同じタイミングで、空を見上げたギルド員が悲鳴を上げた。
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