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(つまらないなぁ)
最初は楽しんで人間を踏み潰していた。けれど、抵抗も無くただただ無抵抗の人間を踏み潰す。
漆黒龍はこの作業めいた物に飽きてきていた。
(やーめたやめた。これ以上は不毛だ)
漆黒龍はまるで子供が壊れて動かなくなった玩具に見向きもしないように翼を広げ飛び立つ。
その余波でまだ生きている人間は潰れて原形すら分からなくなった肉の塊と共に抵抗無く転がった。
(なぁーにっか面白っい、こっとなっい、かなぁー)
既にさっきまでの事は頭になく、漆黒龍は新しい何かを探し始める。
そして、森の上を飛んでいる時、漆黒龍の腹が鳴った。
実はここ数日、家畜を食べ尽くした漆黒龍は何も食べていなかった。狩りに出ている内に人間が来たらどうしようと危惧していたからだ。
(そういえばここら辺に旨くてでかい生き物が居たような)
漆黒龍は森の中に降り立ち、その体を狼ぐらいにまで小さくする。
元の大きさでは獲物を見付ける前に逃げられるのと、森の木々を倒さないようにするのが理由だ。
そして漆黒龍は獲物を探し出す。
途中、小さいからと襲ってきた集団の狼達を摘まみながら。
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