第1話

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 武内は一連の流れを女将に説明すると、煙草に火を付けた。 「煙草、止めたって言ってなかった?」  「こんな時まで健康に気を遣う必要もないだろう」  酒気を帯びた煙を吐き出しながら、武内は俯いた。 「生きる理由を失った、これからどう生きればいい……。あいつはそう言って泣き崩れたよ」 「それで、貴方は何て応えたの?」  女将はカウンターから身を乗り出して聞いた。その落ち着いた身のこなしは、熟練の経験があってのものだろう。若い女にはない色気があった。 「俺に訊くな、その答えは自分で探せ、と」 「酷い人」  女将は目を細めた。
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