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1時間前……。
「あの……紅(くれない)寧香(ねいか)さんですか?」
放課後、学校の教室で部活の準備していたとき、見知らない女子が声をかけてきた。
眼鏡をかけた、物静かそうな印象の女子。
顔を見て同じクラスの人じゃないと感じた。
「そうですけど……。あなたは?」
「私は1年B組の白神(しらかみ)あかりと言います……」
下校する生徒たちの喧騒の中、消え入りそうな声で白神あかりと名乗った。
「あかりさんね。で、何の用?」
私のいる教室は2年E組。上級生のクラスは入りにくいのに、なんで顔も知らない1年生が来たのだろう。
「ここじゃ人目があるので……。屋上に来てくれませんか?」
あかりさんはそれだけ言って教室から出ていった。
「寧香? 今の誰?」
私の近くにいた、同じ薙刀部でもあるクラスメイトが、不思議そうな顔をして聞いてきた。
「知らない1年生なんだけど私に話があるんだって。部活は遅れるって伝えといて」
クラスメイトにそう言って、私は屋上に向かうことにした。
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