闇に飲まれる赤髪

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「それから毎日バスの中でされてるんです! 寧香先輩はそういうとき言えますよね?」  あかりはまた泣き出しそうになりながら言った。 「確かに私ならその場で言うけど……」 「だったらお願いします! 今日一緒に帰って下さい! 私が痴漢に遭ったらその場で言ってほしいんです!!」  息を全て吐き出すような勢いで頼むあかりに、私はたじろぐ。 「……分かった。その犯罪者、警察に突き出してやりましょう」 「はい! ありがとうございます!」  そう言って、何度も頭を下げるあかり。屋上から校門の入り口に着くまでずっと礼を言っていた。  私はあかりを校門の入り口に待たせておき、薙刀部の道場にいた顧問に、家の用事があることにして今日は休む旨を伝え、あかりとバスの停留所に行った。
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