0人が本棚に入れています
本棚に追加
「それから毎日バスの中でされてるんです! 寧香先輩はそういうとき言えますよね?」
あかりはまた泣き出しそうになりながら言った。
「確かに私ならその場で言うけど……」
「だったらお願いします! 今日一緒に帰って下さい! 私が痴漢に遭ったらその場で言ってほしいんです!!」
息を全て吐き出すような勢いで頼むあかりに、私はたじろぐ。
「……分かった。その犯罪者、警察に突き出してやりましょう」
「はい! ありがとうございます!」
そう言って、何度も頭を下げるあかり。屋上から校門の入り口に着くまでずっと礼を言っていた。
私はあかりを校門の入り口に待たせておき、薙刀部の道場にいた顧問に、家の用事があることにして今日は休む旨を伝え、あかりとバスの停留所に行った。
最初のコメントを投稿しよう!