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後輩から予想外のアッパーをくらったマルクスは、片手で顔を覆いながら大きくため息をつく。
ここは元より変人が多い。またしてもこの手の者が増えるのかと思うと、マルクスは頭痛を感じずにはいられなかった。
…棺桶背負ってるし。絶対変人だ。
とにかくこのままでは話しが進まない。
そう切り替え、一通り赤十字軍としての説明を始めた。
「俺たちの行動理念は」
「戦地において負傷者の発見、及び救護」
どうやら空気は読めるようだ。一貫してまじめな顔つきになった。
「その通りだ。俺たちは傷ついた者を助ける。たとえそれが自国の者ではなくてもだ」
それはつまり、他国の者も含まれるということ。
このアルクトゥートスがいかに中立の立場をとっているからといって、その行為自体はあまり良い目では見られないだろう。
ここにいる医療人はそれらを承知で身を置いている。
「理解しけりです」
「おし」
「先輩はおいくつですか?」
「あー…確か今年で18だけど」
「おお。僕のが年上あんどハイトール」
「引っ張るねおまえ!そろそろ離れようよそれから!」
「やはり牛乳かと思いけりですが、K先輩はどう思われます?」
「大丈夫、治してヤル。ワタシ、治すの得意」
「そう言いつつドリルとか持ちだしてるのは何故!?完全に別の物に改造しようとしてるよね!?」
「いやはや愉快な先輩たちだ」
「おまえは黙っててソラコト!」
「ソラコト、いエーイ」
「いえーい」
「もう…ヤダ…」
かくして初日から先輩マルクスを怒らせ、変人繋がりでKと同盟関係になったソラコト。
さてさて、彼女は立派に努めを果たせるのだろうか。
ちなみに、ソラコトの同僚である白衣の少女に出会うのはまた先の話しであったりする。
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