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俺はその言葉を聞いた瞬間、無意識にもひかるを心の奥底に眠らせていたのだ。
俺はいつも居た暗闇から吸い込まれる様な感覚でひかるの意識がない身体に入れ替わった。
閉じていた目をゆっくりと開き、ひかるだった今は”俺の”身体を起こして座り両手の感覚を感じ取ると俺は決意した。
ひかるを守るのだと。
今思えば俺は、ひかるが好きだったのかも知れない。
生徒会長に恋愛感情をもって嬉しそうに話すひかるが好き...だったのかも知れない。
無意識にも眠らせてしまったひかるを俺は起こし方を知らない。
それとも、この機会によってひかる自身が心を閉ざして自分を守るために自ら眠っているのかも知れない。
俺はどっちにしろ、ひかるに心を打ち明けることが出来ないのだ。
追加人格の俺が
ひかるの中に当たり前のように居座る俺が
ひかるに対しての心を打ち明けることができる日が来るとするならばそれは、きっと...
俺が終わるとき。
ひかるが幸せになれるとき。
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