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「ウサギちゃん、顔」
面白くないって顔に出ていたみたいで私の顔を見てクククッと笑う椎名さん。
「椎名さん、勘違いしてるみたいなんで言っときますけど、この指輪は私が自分で買ったわけじゃ、ありません」
なんだか悔しくなったので、椎名さんが勘違いしてるであろうことを先回りして指摘する。
ほら、びっくりした顔してる。
「じゃあ、どうしてその指輪を?」
「どうしてだと思います?」
散々、私を笑った仕返しに少しだけ意地悪をする。
「んー、どうしてかなぁ?」
椎名さんは考える素振りだけして直ぐ、私に答えを求める。
たぶん私が仕返しをしていることに気づいているんだと思う。
椎名さんには敵わないみたい。
「送られてきたんです」
「送られてきた? 誰から?」
「・・・・・・司さんです」
会議室で、どうして指輪をしているのかと聞いた椎名さんは、きっと知らないんだと思った。
司さんが、私に指輪を贈ったことを。
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