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「その指輪はね、ウサギちゃんの為に作ったんだよ」 「えっ」 「“for A”って彫ってあるのが、その証拠。 そのデザインはね、レア物だって知ってる?」 木村くんが確か、言っていたような・・・・・・。 だから、探してもなかなか見つからないって。 「あ、はい」 「そのデザインの指輪は、よっぽどのことがない限り、作らないんだ」 「どうしてですか?」 「どうしてだと思う?」 椎名さんはまた意地悪な顔をしている。 きっとさっき私がした意地悪の仕返し。 だけど、それで私がした意地悪を許してくれるような、そんな気がした。
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