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私が落ち着くのを見計らって、椎名さんは 「ウサギちゃんが、そんな嫌な奴じゃないって今日、分かったよ」 「今日ですか。 一体、椎名さんの中で、私はどんな人間なんですか?」 これも“いくつか聞きたいこと”の1つだった。 椎名さんから話を聞いている限り私はとんでもなく悪い印象になっているような気がした。 「んー。普段のウサギちゃん、無愛想だし何、考えてるか分かんなかったんだよね。 俺の嫌がらせもさ、済ました顔してスルーするし」 嫌がらせ? 1つだけ、思いつくことがある。 「高松さんを通さずに、私に直接、業務をお願いしてたのって やっぱり、わざとだったんですね」 「ごめんごめん」と笑って、ごまかす椎名さん。 「ごめんじゃないですよ! 高松さんのネチネチした嫌がらせ、結構メンタルがやられちゃうんですから!」 「へぇー。ウサギちゃんでもメンタルやられることあるんだ」 ・・・・・・本当に、一体、私のことどんな人間だと思ってたんだろう。
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