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「あの、椎名さんってやっぱり、その司さんに特別な感情ってないんですよね?」 先ほど、兄弟だからで片付けてしまったけど、椎名さんが話す司さんへの印象は“特別”な何かが感じられてしまう。 しつこいかなぁ、とも思ったけど気になったので聞いてみた。 「ウサギちゃんって、すごいね」 やっぱり、しつこかったかなと後悔していると 「司に、特別な感情あると思う」 椎名さんは静かに言った。 「あると思うんですか?」 その言い方は、まるで自分では意識しないようにしているような感じだった。 「さっき双子だって言ったよね。少し語弊なんだ。 腹違いの、兄弟だよ」 「あっ」 これから先は、私が聞いてしまっても良い話なのだろうか。 またしても、聞かなきゃ良かったかなと後悔し始める。
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