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コーヒーを入れようと席を立つと「俺も」と言われたので、ついでに小皿とフォークを持っていく。
隣の席に座って、椎名さんと一緒にケーキを食べているところを見られたら、大騒ぎになるところだけど今は私と椎名さんしか居ないので何も気にならなかった。
他愛ない話をしながら、ケーキを食べ終えると椎名さんは喫煙室に向かう。
席を立った時に、
「よくこんな甘いもん食えるな」
と言っていた椎名さんが印象的だった。
本当は、甘いものが好きじゃないのに無理して付き合ってくれたんだと思うと、椎名さんに対する苛立ちはなくなっていた。
それから、椎名さんの嫌がらせで残業になるときは必ず差し入れをしてくれて他愛ない話をしている。
その時間だけ、椎名さんへの苛立ちがなくなる私は、食べ物でごまかされているという自覚が多少あったりする。
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