01 古い新聞

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「・・・おっと、つい読みふけっちゃった。やべ!もうこんな時間!早く準備しなきゃ!」 「祐羽(ゆう)!真唯(まい)ちゃん来てるよ!早く降りてきなさい!」 真夏日が照りつける部屋、いつもと変わらないカバンに荷物を詰め込み、さっきまで読んでいた古い新聞を床に置き、祐羽は立ち上がる。 「今日か・・・」 一言漏らし視線を下に向ける。 「この新聞、だいぶ前のやつが紛れてたな」 ここに引っ越してから早15年、新聞に記入されてる時期にこの街に来た。 これはその時のもの。色褪せていて、ところどころ磨り減っていて後半はなんて書いてるのかすら読めない。 カバンを手に持ち見上げる時計。 10:01 祐羽の家に来た真唯は、10時に来るようにと言われているので時間通りに来たのにも関わらず、祐羽は新聞を読んでいた。 足早に駆け下りる階段、玄関にはピンクのワンピースがだんだんと見えてきて、階段を降り終えると、見慣れた顔の真唯。
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