第1章 TOP19狩り

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   「な。もう見たか?…見たよね。何だよ。黙っちゃってさ。あ。そうか、ヴィアも嬉しいんだね。あれれ。あんなに嫌ってたのに、ひょっとしてアイツのコト、好きだったとか言ったりする?…くくくく。止めてくれよ。自分のGOTSSが、実は『そういう趣味』があっただなんて…想像しただけでも鳥肌が立っちゃうからさ」  なるほど。おそらく、ジーパンが見ろと言う新着書込とは、きっと「アスタロトが戻って来た」とか「生存が確認された」とか、そんな類のモノだろう。  真偽の程も定かではないアスタロトの情報に喜悦の表情を浮かべるジーパン。ヴィアに「そういう趣味」があるのか…などという面白くもない戯れ言を投げたが、その様子は間違いなくジーパンの方にこそ「そういう趣味」がありそうだ…と言えた。  ヴィアは表情を失ったまま、冷めた目でそんなジーパンを見ている。  おそらく、その新着書込はガセネタだ。いや。ガセネタ…というよりも、何者かがまた何か良からぬことを企んで意図的に流した偽情報に違いない。…と、ヴィアは確信する。そう確信する根拠は何か…と問われても、明確な答えを返すことは出来ないが。  しかし、そんなコトも…もう、どうでも良いのだ。  それよりも、さっさと伝えるべきコトをジーパンに伝えなければ。ヴィアは、かける切っ掛けを失した言葉の代わりに、ショートメッセージを送信した。目の前にいる相手に。  「…え?…何だよコレ?…ヴィア?…どういうコト?…何で?…え。何で?」  着信を受けて直ぐ読んだのだろう。ジーパンが驚いた顔をヴィアに向ける。  そのショートメッセージには、GOTTS契約を解除する旨の通告が書かれていた。 ・・・
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