プロローグ

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   クリア後、1週間を過ぎた辺りから妙な噂が広がり始めた。  『あのハザード・イベントは、実はイベントなどではなく、TOP19(トップナインティナー)の一部の者が一般PCを皆殺しにしようとしたのである』  …と。  カミとミコトからしてみれば、根も葉もない間違った噂なのは明白だった。  というか荒唐無稽にも程がある。  TOP19…などというのは、システム側が勝手にランキング制を導入して名付けたランカーたちの呼称であって、別に一般PCと何も違うところなどないのだ。  普通に暮らし、タスクやクエストをこなし、レベル上げに勤しむ。  少なくともカミとミコトには、自分たちが他のPCと比べて特別なところがあるなどとは、少しも思っていなかった。  それがどうして、一般PCを皆殺しにしようとした…などという物騒な話になるのだろうか?  最初は、「Face Blog ER」上のゴシップ記事的なものだろうと気にも掛けなかった。  しかし、それからまた1週間経っても、噂話はトーンを落とすどころか、さらに具体的な記事を伴って拡大していく。  実際に、タウンアタックを頻繁に繰り返す2人組。ジーパンとヴィアの行動が、スペースライン上にチューブ・ライブ機能を使って公開される。 ・・・
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