プロローグ

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   アーカイブ映像には、狡猾に他人を陥れるメフィスや、青黒い悪魔的な風貌のマコト、脅威そのものの見た目をしている巨人ネフィリム、昆虫的な触覚眉毛を蠢かすブブ…など、他のTOP19たちの映像も、効果的に差し込まれていた。  幸い、あまり特徴のないカミとミコトの映像は含まれていなかった。  だから、そのゴシップ映像を初めて目にした時、カミは呑気にも…  「へぇ…。迫力満点の演出だね。俺も格好良く映して欲しかったわ」  …などとコメントしていたくらいなのだ。  まるで映画の予告編のように感じたから。  TOP19たちへの根拠の無い恐怖心を煽るための映像。  明らかに何者かの悪意によって脚色された映像。  「あはははははは…ウケる!」  …と、チューブ・ライブ映像を見ながら笑っていたカミとミコトは、まさか自分たちが、現在陥っているような、逃亡劇の主人公になろうとは夢にも思わなかった。  だって、自分たちはその映像には登場していないんだから。  ところが、とある小さなタウンの掲示板に張り出された、一枚のクエスト依頼書が状況を一変させることになる。  内容的には、「伝説のモンスターを倒せ!」的な一見ありふれた内容だった。  しかし、そのクエスト内容を詳しく読むと… ・・・
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