8人が本棚に入れています
本棚に追加
悠サイド
---------坂の真ん中くらいまで来た。
「ハァ……、ハァ……。」
既に息が完全に上がっていた。
どうせもう遅刻だしなぁ。
僕は諦めてゆっくり行くことにした。
---------さぁて、担任になんて言い訳しようか。
そんなことを考えながら歩いていると、一人の少女が道端に座り込んでいた。
白嶺学園の制服……。
同じ高校の人か。
なんでこんなところに座ってんだろ?
心配と同じに興味がわいてきた。
今のうちに知り合いを作っておくのも悪くないかな?
そんな軽い気持ちで僕はその人に話しかけた。
「あの……。
大丈夫ですか?」
その声に反応して少女がこちらを振り向いた。
--------これが、僕と君が初めて会った瞬間だった。
最初のコメントを投稿しよう!