1.出逢い

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制服を着ているから白嶺の生徒だということはわかるはず。 だけどどうやって学年まで見分けたんだろうか? 「名札に入ってるラインがボク…… わ、私と同じだったからです。」 ……そんな秘密が隠されていたとは。 「よく知ってますね。」 僕は素直な感想を彼女に述べた。 「ボク…… 私の母も白嶺の生徒だったので知ってただけです……。」 なるほど、そういうことか。 ……それより気になった点が一つ。 「いきなりで失礼だけど…… 君って…… ボクっ娘?」 さっきから一人称が「ボク」だったり「私」だったりした気がするのだけど。 僕がそう言うと少女の顔がどんどん赤くなっていき。 「そ、そうですよぉ……。 どうせ変ですよぉ……。」 うつむきながら涙声でそう言った。 いや、そんなこと一言もいってないけど。 てか、なんで涙声?
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