1.出逢い

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始業を知らせる鐘がなり、この後の予定を担任になると思われる先生が話した後、指示待ちの自由時間になった。 私はここぞとばかりに学校指定の鞄から、本を取り出し読みふける。 教室の中ではすでに何組かのグループが完成しており、男女問わず盛り上がっている子たちもいる。 ……でも、私はその和の中に入ってはいなかった。 入ったところで楽しいわけではないし、入る理由がなかったから。 他人と関わるくらいなら、自分の世界に閉じこもっていたほうがどれだけ楽しいか。 -------本の中の世界はそれを実現してくれる。 自分だけの世界に連れて行ってくれる。 私はそれだけで十分だった。
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