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始業を知らせる鐘がなり、この後の予定を担任になると思われる先生が話した後、指示待ちの自由時間になった。
私はここぞとばかりに学校指定の鞄から、本を取り出し読みふける。
教室の中ではすでに何組かのグループが完成しており、男女問わず盛り上がっている子たちもいる。
……でも、私はその和の中に入ってはいなかった。
入ったところで楽しいわけではないし、入る理由がなかったから。
他人と関わるくらいなら、自分の世界に閉じこもっていたほうがどれだけ楽しいか。
-------本の中の世界はそれを実現してくれる。
自分だけの世界に連れて行ってくれる。
私はそれだけで十分だった。
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