1165人が本棚に入れています
本棚に追加
/1012ページ
引き寄せて、縛り付けて、押さえ込んで
嫌がるあいつの着物を剥ぎ取った
「土方さんっ!」
そんな声で呼ぶな
虫酸が走る
いつもの、明るい笑顔も、弾んだ声もない
聞こえるのは拒絶の声と
あいつの体の震えだけ
それでいい
俺で頭ん中埋めてやる
俺で一杯になって何も考えるな
俺だけ見ろ
心にもない言葉を浴びせて、
酷い扱い方をして
あいつを無理矢理抱こうとした
だけど、
「土方さんっ!!!」
一際響いたあいつの声に顔をあげると
あいつの瞳から涙が溢れていた
初めて、だった
こいつが泣いたのを見たのは
総司と傷つけた時も
芹沢に叫んでいた時も
一度も見せなかった涙を
こいつは、今ここで流した
最初のコメントを投稿しよう!