青、蒼、碧

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こぽこぽこぽ 微かな音をたてて、ゆっくりと昇っていく泡。 そっと手を伸ばせばそれはほのかに温かく、するりと肌を滑り、また昇っていく。 少し前──もしかしたらもう何年かも前のことかもしれないけれど。 まぁヒトとは違う時を刻む私たちにとってそこは曖昧。 大切なのは、ある日突然この星に大きな大きな落とし物があったということ。 氷に包まれた寒い北の地に。 その日を境にして、この星は変わってしまった。 一面の氷を一瞬にして溶かしたそれは、今もこの星の奥深くへと沈んでる。 人々の話を盗み聞けば、この星の滅亡の日までもが決まったという。 海底から時折吐き出される泡は熱を帯び、星を覆う水は以前より温度をあげた。 その変化に耐えきれなかったコたちは数を減らして。 最近では以前とは違う姿をしたコもぽつりぽつりと現れ始めた。 それでも、やっぱり私たちはこの深い青から離れられない。 こぽこぽこぽ 深い蒼から現れる白い泡は今日も碧へと昇っていく。 静かに響く鈍い振動はまるでこの星の悲鳴のよう。 私たちに逃げる術なんて、ない。
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