走り出した恋心

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トウモロコシが殆ど食い散らかされていて、見るも無惨に変わり果てていた。 『章一郎、これは誰がやったんだ?!』 『・・熊だよ、熊が出たんだよ』 章一郎は、悔しそうな顔をして言った。 どうやら畑に一緒に居たのは、作業服を着た役所の人らしかった。 『・・・とにかく見回り強化しますけど、襲われ無いように気を付けてください』 淡々とした口調で言うと、足早に去って行った。
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