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春の匂いが鼻をかすめる。
気温も今までの寒さは嘘のように
だんだんと上昇中。
家の近くにある川の周りにある木々が
桃色の花を咲かせた頃。
あたし、如月 梨沙(きさらぎ りさ)は
華の女子校生へと変化した。
あたしが今日からお世話になる学校
館山高校は自転車を走らせて
20分ほどで着く、比較的大きな学校。
学力のレベルは低くもなく、
高くもない…標準的な学校。
そんな学校にこんな馬鹿なあたしが
入れたのは本当の奇跡。
夢みたいに思いながら
あたしは桜並木を自転車で
通り過ぎていく。
グレーの制服に赤のネクタイ。
春休みに染めてしまった茶髪が
肩の横で揺れている。
少し短めに折ったスカート。
そんなあたしは新たな学校に
期待半分、不安半分。
…友達、できるかなぁ。
そんな不安を胸に抱えていた。
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