第1話

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春の匂いが鼻をかすめる。 気温も今までの寒さは嘘のように だんだんと上昇中。 家の近くにある川の周りにある木々が 桃色の花を咲かせた頃。 あたし、如月 梨沙(きさらぎ りさ)は 華の女子校生へと変化した。 あたしが今日からお世話になる学校 館山高校は自転車を走らせて 20分ほどで着く、比較的大きな学校。 学力のレベルは低くもなく、 高くもない…標準的な学校。 そんな学校にこんな馬鹿なあたしが 入れたのは本当の奇跡。 夢みたいに思いながら あたしは桜並木を自転車で 通り過ぎていく。 グレーの制服に赤のネクタイ。 春休みに染めてしまった茶髪が 肩の横で揺れている。 少し短めに折ったスカート。 そんなあたしは新たな学校に 期待半分、不安半分。 …友達、できるかなぁ。 そんな不安を胸に抱えていた。
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