なんでもできてなんにもできない

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　入院生活も一ヶ月となり、パソコンやゲームのない生活も慣れてきた。いつものようによくわからない医者の問答、どうやら診察らしいがそれすらも意味がわからない、を受けているうちに、ふとした疑問が浮かんだ。

　彼は相変わらずどんな質問に対しても無言を貫いていたが、自然と言葉を発していた。

「僕の幼馴染は、いまどこに？」

　医者はとても驚いた顔をしていた。わけがわからなかった。

　言いにくそうにしていたが、卓の視線に耐えがたくなったのか口を開いた。

「彼女……篠ヶ原優菜さんは、逮捕されました。しばらく拘束されていたらしいんですが、少し目を離した隙に、舌を噛み千切って自殺していたらしいです」

　その直後、三城卓は舌を噛み千切って自殺した。

　理由は依然として、不明のままである。