第26話

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空が不貞腐れて涙を流してる日のことだった。 俺とお前の赤い糸が切れたのは。 辿ればお前に繋がってると思っていた。 そう信じて俺は小指の糸を辿ってたんだ。 でも違った。 繋がってると信じてた赤い糸は。 お前に繋がってなんかいなかったんだ。 もしかしたら引っ張りすぎたのかもしれない。 もともと繋がってなかったのかもしれない。 辿ってた赤い糸は、切れていた。 誰かに繋がっているわけでもなく。 赤い糸は涙にぬれて。 解けて地に落ちた気がした。 赤い糸なんてそんなものはなかった。 ただの妄想だったのかもしれない。 でも俺は信じてたんだ。 赤い糸はお前に繋がってると。 赤い糸は。 誰かに繋がっていると。
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