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カツ、カツ、カツ、カツ… 「部長、確認お願いします。」 『ああ、ご苦労様』 差し出した書類を手にとって所々チェックする谷崎。 その真剣な眼差しは、普段のナルシストな性格を微塵も感じさせないほど真っ直ぐだった。 (きっと馬鹿な女はコイツのこうゆう所に惹かれるのね。本当は性格が最悪な事も知らないで。) 『羽石、ここミスしてるぞ』 はっ?ミス?私が?嘘でしょ? 谷崎が指さしてる場所を見てみると…確かに間違えていた。 初歩的なケアレスミス。 「申し訳ありません、すぐに直します。」 『いいっていいって、そんなに落ち込むなよ、それにしても珍しいな。羽石がミスなんて。』 珍しいも何もこれまで一度もミスをした事がない。 これからもするハズがないと思ってたのに… 「すみません、今すぐ直します。」 そう言ってサッと書類を奪うとすぐにデスクに戻った。 ミス…この私がミスした… (…ああもうっ!) 今は落ち込むより先にコレを直さなきゃ!!
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