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『羽石ちゃんと食事にでも行こうと思って思い切って誘おうとしたのにさー、羽石ちゃんスタスタ帰っちゃうんだもん』 やっぱり大した事じゃなかったわね、振り返らなくて大正解。 カタタッとパスワードを入力して仕事に取りかかる。 これも終わってない、これも、これも…今日は忙しくなりそう。 『…羽石、俺の事嫌い?』 さっきまでの甘ったるい声じゃなく、真剣な声音に切り替わった。 思わず顔を上げた。 『俺…結構仕事も出来るし、部長だから金だって持ってるし、顔も格好いいと思うんだ。』 絶句。 まさかコイツがここまで重症だと思わなかった。 痛々しくて直視できない。 そんな私の心中もお構いなしに『俺結構モテるんだよ?』なんて言いながら白い歯をキラーンと輝かせてる。 フイッとまた視線をPCに向けて一言言ってやった。 「大嫌いです。」
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