一日目

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警察を呼ぶか…? でも俺も体が限界みたいだ。 目が霞み始めてる。 警察を呼んでしまえば、きっと朝まで事情聴取だろう。 絶対体が保たない。 さっさと家に入って寝ちゃいたいな…。 …………。 ……しゃーない、家に入れるか。 無用心かも知れないけどうちには盗むようなモノはないし、朝うちの前で死体になられても困るし。 …よし、そうしよう! さぁ、決めたら早い。 「すみませんねー」と、寝ているその人を家に引きずり入れ、客間にしいた布団にそのまま横たえる。 お風呂を沸かしてちゃっちゃと入って、やること済ませて、自室に布団をしいて寝る準備。 他人を家に入れているため、用心して貴重品は屋根裏の金庫に入れておく。 包丁などの刃物類も念のため金庫に。 (もしそれで刺されたら困るし) 「あとはあの人が殺人鬼とかじゃなければいいけどな…」 と思いつつ、最後に電気を消しに客間に向かう。 彼は、やはりぐっすりと寝ていた。 布団のわきに座り込み、そっと観察してみる。 顔にかかっている前髪を払ってみると、意外ときれいな顔をしていた。 俺より少し年上か…同じぐらいか…。 部屋にいれて分かったことだがパッと見た身なりもボロボロというわけではなく、まぁ、ちょっと汚いかな程度。 本当はもっと観察したいところだけど、あまりむやみやたらに触るのも躊躇われるので前髪だけで触るのを止めておく。 …何なんだろう、このヒトは…。 明日は起きてくれるといいのだけど。 あー、明日が休日で良かった…、切実に。 自室に入って布団に潜り込む。 仰向けになって一息ついたとき、視界のなかに明るい光があることに気づく。 光の方を見て、 あぁ、今日は満月だったのか。 白く、大きな明るい満月だった。 何だかホッとする。 月が見守ってくれているような気がして。 「…おやすみ」 その光のなかで俺が寝落ちるまでに、そう時間はかからない。 *一日目*
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