一日目

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「まぁ、初歩的なミスだわな」 「はい…」 失ったデータのバックアップを中嶋先輩が取ってくれていた。 この間この件で少し相談をした際に一応で取っておいてくれていたらしい。 情けない…恥ずかしい…。 ここまで先輩のお世話になってしまうとは…! うつむいた顔が上げられない…。 ぽすっ。 頭に何かが乗った。 顔をあげてみれば、 「大丈夫、そのうち慣れるさ」 と、優しく笑って俺の頭を撫でていた。 うちの課No.1と言われるイケメンの微笑みは見てるだけで目がつぶれそう。 まぶしすぎる! 「中嶋さん…」 どうしてそんなに優しいの! どうしてそんなにイケメンなの! 空いている左手に持つタバコがどうしてそんなに色気を誘うの! 教えてーおじいさんー…。 しかし彼は、 「ま、タダで助けてやるほど俺は優しくないがな」 にこにこと、持ち上げて、突き落とす。 ええ、分かってましたとも…。 しかし、その黒い笑顔も何故イケメンに見えるのだろうか、この世の不公平よ…。 「はい…今晩ですね…」 俺は静かに覚悟を決めた。
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